ふと、真面目な書き物をしたくなったので、不定期通信《micromacro》創刊です(笑
この刊行物は、microが真面目なことを語りたくなったときに発行されます。
内容は、恐らくエッセイ風?
不定期通信『micromacro』第1号
◇町中に佇む古本屋
帰宅途中の駅で下車し、繁華街をぶらつく機会があった。その繁華街は比較的大きく、建ち並ぶ店舗も多種多様だ。ファストフードのチェーン店、携帯電話の販売、マッサージ屋にカラオケ、衣類品は、それぞれの店舗の雰囲気が大分違う。大きなスーパーもあれば、小さな呑み屋も多くある。そんな場所柄からか、道行く人も老若男女を問わない。家族連れ、髪が真っ白のご老人、大学生らしき若者の集団、などなど。小学生の高学年くらいの女の子も、そろそろ友人だけでこういった繁華街に繰り出すようで、歩いているとちょくちょく見かけた。
そんな繁華街の一角に、その古本屋はあった。
◇時代を超える感覚
初め、それを見つけたときは「何と時代錯誤な店だろう」と驚いた。アニメやドラマの世界であるかのような錯覚すら覚えた。
外観は、古い木造建築。看板は長年同じところに掲げられてきたのか、古びて霞んでしまっている。中は、十畳程だろうか。木製の、これまた古そうな本棚が壁一面に設置されていて、奥にはこじんまりとしたカウンタ。レジは置いておらず、お爺さんが眠そうな顔をして座っていた。棚の本は、それほど古くはなさそうだったが、少し顔を上げると、『森鴎外選集』など、褐色にくすんだ古臭いものが、棚の上方の一部を陣取っている。
足を踏み入れると、30年前にタイムスリップしたような、そんな感覚に襲われた。意識を雰囲気に吸い込まれ、現実から乖離してしまうような感覚だ。それは、初めての経験だったが、とても貴重な、新鮮な経験だった。
◇平均的な街並み、どこにでもある光景
そういった、心に訴えかける風景は、今や無くなりつつある。古い物は壊され、新しく、平均的な物が、その場所を埋めていく。それは逆らえない宿命だと思う。建物の老朽化は止められないからだ。だからこそ、先ほどの古本屋のような自然な営みの光景は貴重で、価値ある物になってしまったのだろう。それと比例して、郊外の風景は均質化して、味気ないものになってきている。どこを見ても、同じような住宅、同じような店舗。ある意味で、これが平成の風景、とも言えるが、どこか無機質で、寂しい物がある。
平成の風景が悪いとは思わない。昭和の風景を後生大事に抱えて生きる生き方はナンセンスだと思う。だが、平成がある前に昭和という時代があったことを、昭和を知らない世代が直に感じるのも、たまには悪くない、と思わせてくれた古書店だった。
この刊行物は、microが真面目なことを語りたくなったときに発行されます。
内容は、恐らくエッセイ風?
不定期通信『micromacro』第1号
◇町中に佇む古本屋
帰宅途中の駅で下車し、繁華街をぶらつく機会があった。その繁華街は比較的大きく、建ち並ぶ店舗も多種多様だ。ファストフードのチェーン店、携帯電話の販売、マッサージ屋にカラオケ、衣類品は、それぞれの店舗の雰囲気が大分違う。大きなスーパーもあれば、小さな呑み屋も多くある。そんな場所柄からか、道行く人も老若男女を問わない。家族連れ、髪が真っ白のご老人、大学生らしき若者の集団、などなど。小学生の高学年くらいの女の子も、そろそろ友人だけでこういった繁華街に繰り出すようで、歩いているとちょくちょく見かけた。
そんな繁華街の一角に、その古本屋はあった。
◇時代を超える感覚
初め、それを見つけたときは「何と時代錯誤な店だろう」と驚いた。アニメやドラマの世界であるかのような錯覚すら覚えた。
外観は、古い木造建築。看板は長年同じところに掲げられてきたのか、古びて霞んでしまっている。中は、十畳程だろうか。木製の、これまた古そうな本棚が壁一面に設置されていて、奥にはこじんまりとしたカウンタ。レジは置いておらず、お爺さんが眠そうな顔をして座っていた。棚の本は、それほど古くはなさそうだったが、少し顔を上げると、『森鴎外選集』など、褐色にくすんだ古臭いものが、棚の上方の一部を陣取っている。
足を踏み入れると、30年前にタイムスリップしたような、そんな感覚に襲われた。意識を雰囲気に吸い込まれ、現実から乖離してしまうような感覚だ。それは、初めての経験だったが、とても貴重な、新鮮な経験だった。
◇平均的な街並み、どこにでもある光景
そういった、心に訴えかける風景は、今や無くなりつつある。古い物は壊され、新しく、平均的な物が、その場所を埋めていく。それは逆らえない宿命だと思う。建物の老朽化は止められないからだ。だからこそ、先ほどの古本屋のような自然な営みの光景は貴重で、価値ある物になってしまったのだろう。それと比例して、郊外の風景は均質化して、味気ないものになってきている。どこを見ても、同じような住宅、同じような店舗。ある意味で、これが平成の風景、とも言えるが、どこか無機質で、寂しい物がある。
平成の風景が悪いとは思わない。昭和の風景を後生大事に抱えて生きる生き方はナンセンスだと思う。だが、平成がある前に昭和という時代があったことを、昭和を知らない世代が直に感じるのも、たまには悪くない、と思わせてくれた古書店だった。
PR
この記事にコメントする
- ABOUT
microのブログです。
- カレンダー
04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
- 最新CM
[08/15 axadidtruka]
[07/21 casesfirad]
[06/24 broarhala]
[06/23 broarhala]
[06/09 exsagasvaat]
- 最新記事
(07/10)
(02/07)
(02/02)
(01/26)
(12/03)
- 最新TB
- プロフィール
HN:
micro
性別:
男性
職業:
学生
自己紹介:
ダーカーと00をこよなく愛するニコ厨。
最近は声ヲタ気質も確認され、友人にも『お前腐ってるな』と言われる始末。
ドラマは『相棒』しか見ません。
そんな大学1年生。
最近は声ヲタ気質も確認され、友人にも『お前腐ってるな』と言われる始末。
ドラマは『相棒』しか見ません。
そんな大学1年生。
- ブログ内検索
- アクセス解析